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パンスターズ彗星 [星見]

 最近、天文関係の雑誌やサイトをにぎわせているパンスターズ彗星。

 彗星なんてそう簡単に見れるものでもないだろうと思ってたら、市街地でも写真を撮っている人がちらほら見つかりました。
 使われている機材も、そうとてつもないものでもなさそうです。
 これ、がんばったら自分でも撮れたりしないかしらん?

 

 b_50_filtered_s.jpg

 パンスターズ彗星は、既に明るさのピークを過ぎ去り、現在4等級くらいにまで暗くなっています。
 彗星の等級は、ぼんやりとした広がり全体まとめての光度らしく、同じ等級でも点光源である恒星よりも見た目は暗いです。
 これまでは日没直後の北西にいましたが、3月の終わりごろからは日の出前の北東にも出てくるようになりました。どちらも空の低い位置で薄明に溶け込みがちになり、見やすいとは言えません。

 逆に言うと、難しいのはその薄明によるところが大きくて、彗星自体はその薄明下でも捉えられなくもない明るさをまだ持っており、都市の光害こそが致命的というわけではないような感じです。 

 今の時期は、解説サイトの図を見ると、夕方よりも明け方のほうが若干彗星が高くなっていて有利な様子。低い高度は雲や春のかすみに妨げられやすいことを考えても、朝のほうがよさそうな気がします。
 時間帯は午前3時から4時。それ以前は高さが低すぎ、それ以降は空が明るくなってしまいます。平日は無理な時間です。

 今週末はお山に行きたいんだけどなあ。
 でも彗星を見るチャンスのほうがレアだよなあ。 

 

 

 IMG_5367s.jpg

 撮影地に来ました。
 建物の屋上、金網越しです。金網、けっこう効くなあ。
 この彗星はそうそう肉眼で見えるものではないので、とりあえず適当にレンズを北東に向けて撮ってみます。
 雲が多いなあ。
 あとこれは空のどこだ。カシオペアが見えたらいいんだけど、それも肉眼では見えないし、100mmのレンズでは画角が狭すぎて星座は入りません。
 レンズを少しずつ振りながらシャッターを切っていっても全然わからず。むー。

 いったん下に下りて、ノートPCを持ってきます。
 解説図や星図ソフトと今撮った写真をじっと見比べて…
 お。この中央左上寄りに写ってる「?」字形の星の並び。これカシオペアの近くだ。
 この「?」の少し右に彗星がいるはずだ。

 カメラの感度がめいっぱい高いと、短時間で明るい絵を撮ることができるのでテスト撮影にはいいのですが、ノイズが非常に強くなるため細かいものが見えにくくなります。
 位置の見当がだいたいついたため、感度を少し下げてそれを補うために露光時間を伸ばし、追い込みにかかりました。
 シャッター速度が4秒程度でも100mmのレンズでは空が回って星の像が延びてしまうため、簡易赤道儀を動かし始めます。

 

 IMG_5418s.jpg

 空が晴れてきました。
 撮った画像をカメラのディスプレイで拡大し、見回します。
 なんか写ってる…。いけそうだ!

 撮影の設定を決めたら、そのまま10枚程度続けて撮影。
 金網の影響を少しでも減らすために三脚の位置を少しずらし、彗星を絵の中央付近に持ってきてからまた10枚撮影。
 次に感度や露光時間を変えてまた10枚。
 ピントや位置、赤道儀の極軸なんかを再チェックしてからまた導入をやり直して位置を決め、10枚。

 ノイズを押さえるのに低めの感度で露光時間が長いほうがいいのか、高い感度で短時間のほうがいいのか。
 極軸の設置のずれを考えて短時間の露光にしたほうがいいのか、多少のずれは無視して露光を伸ばし明るめに撮ったほうがいいのか。
 どのみち今は撮っておくしかありません。
 
 6パターン目の撮影を始めようとテスト撮影したら、絵がほぼ真っ白になってしまいました。
 目を上げると、地平が赤く光っています。夜明けか。

 

 3200_1-8s.jpg

 撤収。
 ひと眠りしてから、画像の処理を始めました。
 結果はどの撮影設定でもそう大差はありませんでしたが、明るめに撮ったほうが強調処理時の荒れが少なくていいようです。
 よさげなセットを選んで、処理を行います。

 星の写真はとても暗くて階調に乏しく、またカメラの高感度ノイズや長時間ノイズが入るため、強い強調処理を行うとザラザラになってしまいます。
 連続して撮影した数枚の写真を重ね合わせて加算平均を取り画像の滑らかさを上げるのは、天体写真でよく使われるテクニックです。最近の機種だと、この処理をカメラが自動でやってくれたりもします。

 3枚目の薄い絵が、撮った元の絵。
 4枚目、いちばん下のが、8枚の写真を重ね合わせ強調処理をしたものです。
 1枚目、いちばん上の写真は、そこから彗星部分を切り出してさらに強調したもの。
 ちゃんと彗星のしっぽが写っています。撮れるものだなあ。

 

 パンスターズ彗星は、今後太陽から離れてどんどん暗くなっていきます。
 この彗星は周回軌道ではなく放物線軌道をたどるので、戻ってくることは二度とありません。

 しかし!
 今年の彗星の本命は、11月にやってくるアイソン彗星です。
 アイソン彗星は非常に明るい大彗星になると予測されています。
 予測通りになって欲しい!
 今回で経験を積んだので、その時にはぜひ大彗星の姿を捉えたいものです。

 

 


タグ:星見
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Sakuya2634

1枚目、クッキリ彗星が見えてますね。
3枚目との差もすごい。ひさみねさんの撮影技術と現像技術の賜物ですね。

ちょうどLightRoom5パブリックベータ版が無償公開中との事。
連射合成とかできるようなら、わたしも現像ソフト導入してみようかしら。
by Sakuya2634 (2013-04-18 19:25) 

ひさみね

自分はRAWではなくJPG撮りです。
それを、フリーの天体写真用画像処理ソフトを使って合成処理しました。
階調の狭い天体写真にこそ、RAWも使える天体写真専用ソフトを使ってみたいのですが、RAWはかさばりすぎますし、ソフトも高価です…
by ひさみね (2013-04-19 19:15) 

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